●●私達が考えるルーラルアメニティとは●●
例えば三川村(現在、私達がお届けしている米の生産地の一つ)は手つかずの豊富な自然と水田を中心とする耕地が共存する
ルーラルアメニティです。
しかしながら私達はこの環境を風光明媚な景観やのどかな田園風景を楽しむためのものとは
考えていません。
三川村の基幹作物は非常に
食味評価の高い米です。では何故食味評価が高いのでしょうか?
例えばコシヒカリについて言えば同じ品種の稲は日本中の至るところで同じ様な方法で栽培
されています。にもかかわらず食味に産地間較差はあるという説は様々な地域で多くの人が
唱えています。
実際に私達が食べてみても三川村にに限定せずとも産地によって旨い米とそ
れほどでもない米はあるような気がします。同じ品種なのに皆が感じているこの違いは一体
どこからもたらされているのか?
私達はこれを環境がもたらすと考えています。つまり同一 品種の食味の差は、単に食味の差として捉えるべきものではなく、作物が健全に育っている かどうかの差が食味にも発現しているものと捉えるべきなのであり、健全に育っている作物 は人に美味しいと感じさせ、作物を健全に育てるには健全な栽培環境が必要であるという考 え方です。
皆様もご存知のように私達が米として食べているのは稲という食用作物の種子となった部分
なのです。そして種子は作物の生殖成長とともに形成されて行くものですから作物が三川村
のような健全な環境の影響を受けて健全に成長すると言うことはその成長過程の総仕上げと
なる種子の形成も健全に行われ、実りの良い種子、すなわち美味なる米粒を生み出すという
わけです。
それでは健全な環境を将来にわたって維持するにはどうすればよいのでしょうか?私達はそ
のヒントが自然環境にあると考えているのです。環境には全く手つかづの自然環境もあれば
人手が加えられた農耕地で整えられる栽培環境等様々なものがありますが、中でも自然環境
は気象、土壌、そこに生息する生物が相互に影響し、物質循環によって成り立っています。
そして三川村の森林では不思議な事に何も人の手が加えられずに植物の生産力が長年の間、
見事に維持され、病害虫の異常な増殖や雑草の発生も殆ど見られません。私達は三川村の森
林に代表される環境を目の当たりにして、自然生態系で展開されている土と植物、そして生
物が繰り広げているこの物質循環を人手が加えられた農耕地生態系で再現することが作物を
健全に育て、ひいては人の生活環境をも快適にするのではないかと考えるようになりました。
とは言え、まだようやくその入り口に私達は辿り着いたに過ぎません。だからこそはじめに述べた
ようにただ風光明媚な景観を楽しむためではなく、私達、人間を含む生物にとって真に理想
的な環境を実現するという目標にむけて研究に力を注ぎ、時には皆様と一緒に考え、意見も
交換し合いながら取り組んで行きたいと考えているのです。
作物が健全に育つ環境が永続する場所。それこそが真のルーラルアメニティであると私達が
信じ、目指しているものなのです。(*写真は生産地、三川村の風景)