冬の時代年目
春の時代までは遠い
今日のお話〜暴君〜
「ねぇ、いい事を思いついたの!」
普段は嫌がる会議に喜色満面で出席した王女は開口一番にそう言って卓を囲む家臣達を震わせる
いったいどんな無理難題がその口から発せられるのか?その被害がせめて自分には降りかからぬように
そう祈らずにはいられなず、あからさまに表情に浮かんでいる家臣達だが、そんな事は王女にとって取るに足らないモノだからまったく伝わらない
それは不幸中の幸いなのかわからなかったが、続く言葉は何よりもおぞましい
「貴方達は知っていて?世の中には普通の者とは違う体で生まれてくる者がいるのよ」
「そういった者を集めて動物園を作りましょう!」
奇形児を集めた見世物小屋、その存在は古くからあるものだし、これまでの提案などと比べれば可愛いものだった
だからこそ、家臣達は揃ってそれに賛成する
「じゃあ、さっそく集めましょうか。でも、ただ”普通”の奇形なんて集めてもつまらないわよね?」
家臣達が意味がわからず困惑していると、王女はさも楽しそうに言うのだった
「作るのよ!奇形の人間を!」
人為的に人を壊し、奇形を作れ。王女の命令は人である事に背くような、おぞましき命令だった
「そうね・・・双子!兄と弟をくっつけてみるのはどうかしら?頭が2つある人間とか、ハイドラみたいで可愛いと思うの!」
「それとも虫みたいに手がたくさんあるのを作りましょうか?」
無邪気に思いついた素晴らしい事を挙げていく王女の事を家臣達は凍りつき見つめるだけ
「・・・どうしたの?さぁ、作りなさい?それとも・・・貴方達がなってくれるのかしら?」
その一言で家臣達は動き出す
せめて自分にこの災いが降りかからぬようにと、誰かを・・・生贄を王女の前に捧げるために
いったい何度、この王女を殺そうと思っただろうか
だが、殺せない
王女が極めしは召還の魔術
異界から呼ばれた無数の悪魔が、魔物が、王女を守っている
仮に、それらの囲いを突破して王女を殺したとして・・・術者を失った魔物達はこの世界で暴れ出す
今や国中を闊歩している魔物達の制御が一斉になくなったら・・・国は阿鼻叫喚の地獄と化すだろう
故に、国民達は王女に呪詛の言葉を吐きつつも殺せない
他国の暗殺者からも王女を守る
殺したら、殺されるから
だから殺せない
〜種族〜
ノームと一緒に冒険をするのはやめときな
あいつら、戦闘のさなかだってのにお祈りをしやがる
火竜に勝てそうにないからお祈りして死後の世界でよろしくやる?
そんな暇があったら逃げねぇとな!全力疾走すりゃあ結構どうにかなるもんだ
あぁ、そうだ・・・敵の目を逸らすのにはノームはおすすめだぜ?
いざって時にお祈りしてくれる
「傭兵ボーント」
森に生きる民たちは、樹木を切らないので畑を作る事も放牧することもできない
だが、それは森からの恵みがあればそれらを作らなくてもよいからだ
ではその森が死に絶えた時、彼らはどうするのか?
ある者は別の森へと移り住み
ある者は野火で焼けた木々の灰に新たな苗を植えて水をやり
ある者は森を捨て都会に暮らすようになる
そしてまたある者は、森を焼き払うという快感を得るため森に火を放つ
思慮深いエルフですらこのような者を生み出してしまうのだ
より短慮で粗暴なるドワーフからはどれだけの邪悪が生まれるのか言うまでもない
「エルフの歴史家:サアレ・ストレイン」
地の底には宝が埋まっている
それは鉱石であったり、宝石であったり、石油であったり
地上には無い貴重なる大地の恵みだ
地上に溢れかえっているモノだけしか見えないエルフにはわからんがね!
あいつらときたら、根の邪魔になるからと鉱脈を潰したりしやがる
大地の価値も知らないで森の賢者?場末の酒場にいるよいどれのが面白い冗談を言うものだ
「地下採掘場のドワーフ」
コボルトに襲われたらどうすればいいかって?
近くに木の枝か何か落ちてたらそいつを遠くに放るのさ
そうすりゃアイツらはそっちに走っていく
その間に俺は反対側に逃げりゃいい
「冒険者ドゥース」
以外な事だがオークってヤツは綺麗好きでね
襲って来たにも関わらず、泥を蹴り飛ばしてぶっ掛けてやると必死にそれを落とそうとしやがる
獲物の俺を無視してまで・・・ね
もし武器も何もない時にオークに襲われたら、泥の中に飛び込めばいい
ヤツらは嫌がってどっかいっちまうぜ?
まぁ、そん時のオークの顔を見ちまうと・・・負けた気になるんだがな
「熟練の冒険者アリエッティ」
「パブロ、これは何?小説?それとも何か思い出してメモしてるの?」
「それがその・・・自分でもよくわからないんだ。 だけど何か思い出せそうな気が・・・ううっ!シモーヌ!」
「やめて、パブロ!私急いでいるの。 あなたもいそがしいんじゃなくって?」
「おおお、シモ〜〜〜ヌ、君の言うとおりさ・・・ だけど、その・・・なんて言うかなぁ、 もし僕のこの作品が出版されたら・・・」
「言わないで、パブロ、わかってるわ。だけどもう少し考えさせて。私、今日はもう行かなくちゃいけないの」
「おお、シモ〜〜〜ヌ。ウヴァテュ〜ム、ジュテ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ム、ケスコンヴァフェールドゥマ〜〜〜ン」
〜最終更新10月28日 少しだけ復活〜
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