ダットサントラック720について
ダットラは大変歴史が長く,そのすべてを紹介するとなると,膨大な資料と時間が必要になります。なにしろ,現在のハイラックスが6代目であるのに対し,ダットラは現在のD22型(すでに販売終了)が16代目(521型は520型のマイナーチェンジと考えます)なのです。さて,今でも見かけるのは520型までだろうと思います。現在は620型のダットラ人気が鰻登りで,みんなどこから掘り起こしてきたのだろうと感心させられます。うちの車はその次のモデルの720型です。
720の歴史
720型(↓写真)は昭和54年10月,620型(←写真)のフルモデルチェンジにより誕生しました。それまでの曲線ラインのボディ形状から直線基調にかわり,より乗用車感覚を深めた運転室など,対米輸出を強く意識したスタイルです。ボディは,標準ボディのショートベッド・ロングベッド,フラットデッキ(三方開),キングキャブ,ダブルキャブ
,冷凍車があり,標準ボディの2種とダブルキャブには,4WDもラインナップ(後にキングキャブも追加)されました。キングキャブ車とロングベッドのGL車には角形4灯ヘッドライトが装備されました。エンジンはガソリンJ16型とL18型,ディーゼルSD22型が用意されました。
昭和57年1月に,最初のマイナーチェンジが行われました。丸4灯はなくなり,すべて角形4灯に,また,エンジンは排ガス規制に対応させて,ガソリンエンジンがZ16型とZ18型に変更されました。また,フロアシフトが廃止され,すべてコラムシフトになりました。うちの車は「昭和57年1月」初度登録を行っていますが,エンジンがJ16で,丸4灯なので,マイナーチェンジぎりぎり直前に登録されたか,マイナーチェンジ後に在庫だったもののようです。
2度目のマイナーチェンジは昭和58年に行われました。フロントマスクはバンパーを除いて輸出仕様とほぼ同様になり(若干違いあり),テールランプも横一列から縦一列に変更されました。また,各種メーター類が真四角だった初期型から丸形に変わりました。エンジンはディーゼルエンジンが排ガス規制対応SD23に変更されました。そして,昭和60年8月,次のモデルであるD21型にバトンを渡し,720の生産が終了しました。
720の現状
ちょうどカスタムカーブームで,トラッキンが流行った頃に,たくさんの720がカスタムベースとして用いられました。一世を風靡したモデルと行っても過言ではないでしょう。現行ハイラックスの1つ前の型(YN80?)と同じようなものです。
「フルUS仕様」が多かったようですが,「ステップサイド」も結構見かけました。「キャルルック」から「ローライダー」まで,数多くのフリークに愛されたダットラでしたが,4WD車は,構造上リフトアップが難しく,そちらのカスタムは「ハイラックス」の方が人気でした。
その720も,最終型が生産を終了してから,すでに15年が経過しています。町中でも見かける数は少なくなりました。流行にかぶれた一過性のファンが手放した中古車がそのまま解体屋行きとなったり,東南アジア等の外国に送られたり,ローライダーのダンスコンペなどでホッピングマシンやダンスベッドマシンにされて潰されたりして,その数はめっきり減ってしまいました。いまや「ネオ・クラシック」の部類に入るようです。
最近では静かな「ブームの再来」が起こり,再び日の目を浴びるようになりました。エアサス,ドライブギヤ変更,機関変更などなど,また,見た目はボロいが走りはバッチリとか,キャルルックっぽいが荷掛けフックは全部付けたままとか,これまでのカスタムシーンとはちょっと違った形で楽しむ方が増えているようです。
一方,お仕事一筋の車は,時の移り変わりに素直に従い,今ではD21,D22に取って代わられています。たまに程度のいいのがいたりします。
720のここが違う
ボンネット
うちの車はボンネットの左右に,プラスチックのエアスクープが付いており,実際に空気の取り入れができるのは左側(助手席側)のみです。
キングキャブ,輸出車の一部は,エアスクープが無く,替わりに手前の方にスリットが刻んであります。カスタムにより,これらの穴をすべて埋めたものもあります。最終型は最初からこれらの穴がないようです。
フェンダー
国内モデルは大きな変化はないと思っていましたが,ある方から,初期型と後期型で,フェンダーのふくらみ,というか,ラインが若干違っていることを教えて頂きました。判別は大変難しいです。輸出用及びドアミラー車はフェンダーミラー取付穴が開いていません(当たり前)。
ドアミラー
国内モデルは黒のプラスチック外装です。輸出用はメッキになっています(4WDのGL用もか?)
ベッド
ベッドといっても寝具ではなく,荷台のことです。初期型と最終型は,ショートボディに長さの差(約3センチ)があります。テールライトの位置は「ダットラの歴史」で申し上げたとおりです。キングキャブの荷掛けフックは,他のフックとは形状が違います。輸出用は国内用と全く違い,ベッド内側に引っかけ部分があります。また,荷掛けフックは付いていません。
ヘッドライト周り
最初期型はキングキャブ,GL車を除き,丸4灯です。中期型以降すべて角4灯になっています。グリルはそれぞれ専用です。最終型は,輸出用と同じようなデザインになりましたが,黒のプラスチックです。輸出用は国内型に比べ天地方向が長く,また何種類かあり,メッキグリルでした。コーナーランプは,最初期型がフラットなタイプ。中期型は凸型のレンズとなり,最終型はグリルの幅に合わせて天地方向が伸びています。エプロンは中期型までバンパー上に「鼻の穴」のような空気取り入れ口がありましたが,最終型・輸出型は,グリルを天地方向にのばした関係で,その部分が無くなっています。このページの上部分の写真をご参照ください。
※余談ですが,丸ライト車をフルUS顔または角ライト顔に変更しようとすると弊害が起こります。ぴったり組み替えられるのですが,ライトの配線が中期型以降変更されているようで,そのまま組んでライトを点灯させると,外側のライトがロー/ハイビームの切り替えの時逆になります。また,ロービームの時も,内側のライトに電流が流れ,あかーくうっすらとつきます。
線を入れ替えればいいのかといいますと,そうでもないようです。またおかしくなります。ロー/ハイビームの切り替えはある程度良くなりますが,内側のランプへの通電は更に強くなり,ロービームの時,標識灯ぐらいの明るさでつきます。また,このまま長いこと走らせると,オルタネーター(発電機)をパンクさせてしまうようです。
メーター
構成は「スピード」「水温」「燃料」「タコ」「時計」の5つ。「タコ」はキングキャブのみ,「時計」はGLに付いています。モデルを通して構成は一緒ですが,最終型以外は四角いメーターで,最終型は丸メーターになっています。
バンパー
初期型は,細く,奥に引っ込んだタイプ。ほとんどバンパーの役目を果たしていません(^_^;)。色は黒。GL車はメッキだったようです。最終型で天地方向が若干サイズアップしました。バンパーのコーナー部分はどちらもプラスチックです。輸出用はメッキで,国内物より前に大きく張り出しています。ブラックもありました。コーナー部分まですべて鉄製です。取付ブラケットも専用品です。
ドア
前期・後期とも大きな変化はないはずです。Wキャブは前後のドアは全く違います(当たり前)。輸出用との差もほとんどありませんが,北米輸出車は,オールドカーのように風切り窓(三角窓)が付いています。ひょっとしたら,輸出用にはサイドドアビーム(補強板)が入っているかも知れません。
キャビン
キャビンは3種類あり,シングル・キング・ダブルですが,シングルは,輸出用と国内用で若干サイズに違いがあるそうです。他は大きな変化は無いはずです。
ほとんど憶測・目で見て確認したものです。正しい情報をお待ちしています。