家の720
720型は,第一次のトラッキンブーム期に,多くがカスタムベースとして改造され,不動の人気を得たかに見えました。しかし,すでに15年以上が経過し,また,新型のハイラックスに押され,町中でも見かける数は少なくなってきました。
捜索
免許を取るとき,私は単車の免許(現在は自動二輪免許といいますが,当時は中型限定自動二輪免許)も一緒にとりました。そして,単車を入手しましたが,県外の大学に通っていたので,単車で往復する勇気が無くて(なにしろ初心者ですし,片道500kmもあるし,排気量が200ccしかなくて,車体は125cc並の小さいバイクでした),バイク屋さんに運んでもらっていました。効率が悪く,私の車も必要だろうと考えた親父は,私に車を探すよういいました。僕はハコスカが欲しかったのですが(おい),単車を運べません。そこで,ハコスカのピックアップトラックを作ることも考えたのですが(おいっ),当時(今も)ハコスカは天を仰ぐような高さ(金額)で,さらに改造費や公認車検を考えると,とても親のすねかじりの分際ではお願いできませんので,諦めました。では手っ取り早く単車を運べる車は?と探していたところ,ホンダのアクティトラック中古車が「8万円」で売っていました。なんと車検付き!!ところが親父は,「ボンネットがないのは危ない」と言います。私も確かに怖いので,じゃあサニトラにしようと探しましたが,これが無い。やがて,中学生の頃本屋で立ち読みした「カスタムカー」に載っていた「ダットラ720」の存在を思い出し,ダットラ探しに明け暮れました。
再会
ところが,ダットラもそう簡単には出てきません。そのうち,トラックにこだわらなくてもいいと親父は言い出しました。要は雨の日に,アランドロンカペラに私が乗って出かけると,家の車が無くて困ると言うことだったのでしょう。私は小さい頃から,「あそこの工場に何があった」というのをほとんど覚えていましたので,あちこち行っては記憶の中の旧車を探しました。しかし,あれから10数年が過ぎ,ほとんどは遙か昔に無くなっているものばかりでした。
あるとき,隣町の工場で,昔ハコスカが置いてあったことを思い出しました。ダメもとで行ってみたんですが,昔置いてあった場所には当然ありませんでした。しかし,工場のおじさんは「おう,あるよ」と言って,工場の奥を見せてくれました。そこには,確かに昔見た茶色のハコスカ4ドアセダンが,埃を被ってはいるものの,あの時のままで置いてありました。
私は感動すら覚えました。しかし,その時初めて気が付いたことがありました。そのハコスカは1500ccのショートノーズモデル(ボンネットがGTに比べ短い)だったのです。
出逢い
このハコスカは程度もよく,店のおじさんは安くで売ってくれると言うことでしたが,排気量はどうでもいいんですが,鼻先が短い(つまりGTより格好悪い,と当時は思っていました)1500ccモデルでは,後から不満がでてくるだろう,そうすると,せっかく買ってもらった車なのに末永く大事にできるだろうか,という不安が起きました。
迷いつつ,その工場の廃車置き場に目をやると,たくさん並んだ車の中で,丸ライト4灯が目に止まりました。「この車何だっけ?」よく見ると,後ろは三方開のトラックになっています。エンブレムを見て「あっダットラ」その瞬間すべてが決まりました。ハコスカはすっかり飛んでしまいました。
復活の道
このダットラは三方開にしてはガソリン車という珍しい車でしたが,当時の私はまだ甘ちゃんでしたから,ベッド(荷台)は即交換と考え,標準ボディを探し回りました(今だったらそのまま乗るかも)。
この車は,キャビンの方も床が抜けていて,程度はよくありませんでしたが,エンジンの調子はよく,工場の整備で難なく(だったと思う)復活しました。
一方私は,運良く山の中の廃車置き場で白いダットラを見つけました。こちらもいい加減ぼろぼろでしたが,床は抜けていません。書類も無いと言うことで,部品取りにはもってこいでした。しかし,このとき私は,荷台にショートベッドとロングベッドがあったことを全然知りませんでした。ロングベッド車と三方開車はフレームが同じ長さで,見つけた車がたまたまロングベッドだったので事なきを得ましたが。
復活!!
こうして2台の車を1つにまとめた,いわゆる「ニコイチ」になってしまったわけですが,普通の乗用車と違い,ダットラはフレームに車体を載せる構造なので,車体交換は簡単(だったのだろうか?僕は全部工場に任せきりだったので知らない)に終わり,車検も無事通しました。写真は,納車後のショットです。
大変身
私はそれから,うれしくてうれしくて毎日のように乗り回しました。思えばこれがよかったのか,それ以降今日まで,エンジンはすこぶる調子がいいです。
しかし親父は,錆だらけのぼろぼろであることに我慢できなかったようです。腐ったボディパネルを交換し,レストアする事になりました。私はボロいままでも結構気に入っていたんですけど,いずれ綺麗にしたかったので,大変感謝しています。色は何度も打ち合わせ,明るいスカイブルーに決まりました。
7月の初めには完成し,これがあのオンボロトラックだったのだろうかというほど綺麗になりました。おまけに,どこから探してきたのか,ドアミラーまで付いていました(フェンダーミラーも残ったまま)。解体屋の430から外して買ってきたセドリックのホイールキャップを付けています。
全塗装直後の姿
現在の姿
その後輸出仕様のバンパーに変えたり,エンケイディッシュ(懐かしい方もいらっしゃるのでは)を履かせたりしましたが,現在はキャラバンE23型用鉄ホイールを履き,再塗装準備のため,ツギハギ状態です。メカ部分は,クラッチ不調,セルモーター故障がありましたが,修理後は目立った故障もなく,快調です。ベースが三方開だったため,ホーシングのファイナルギヤが高速寄りになっているので,快適に走ります。ただし,現在は車検が切れてほったらかしです(汗)。
某所のイベントで親父のマイティボーイとともに参加したときのもので,エンケイディッシュを履いています。こうしてみると,兄弟みたいです。